早期動脈硬化研究会 (Research Group for Early Arteriosclerosis)

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頸動脈の形態評価 <椎骨動脈と形態異常>

椎骨動脈は健常者でも血管径の左右差を認め,さらに椎骨の横突起により血管が連続画像として観察できないために形態診断に苦慮することがあります.
病的な拡張所見としては,椎骨動脈の動脈解離が瘤形成より比較的多く認めれるようです.ただし,2D断層像で解離を診断できる症例は少なく,拡張の有無やflap様の異常構造物にも注意し,カラードプラ法などを併用して観察可能な領域を詳細に観察することが必要です.また,高齢者や高血圧症の患者では蛇行所見が比較的多く観察されます.
椎骨動脈の左右差を伴った狭小化(低形成)は,椎骨動脈の起始部閉塞や後下小脳動脈を終動脈とする先天性の走行異常などが疑われれます.また,椎骨動脈に明らかな狭小化は認めないが,血流速度(平均流速や拡張期流速)の著明な低下を伴う場合は,起始部の狭窄以外では,頭蓋内椎骨動脈の閉塞が疑われます.特に,閉塞部位としては,後下小脳動脈(PICA)の分岐前後が多発部位とされています.このように椎骨動脈で,左右差を伴う狭小化や血流速度の低下が疑われた場合は,頭蓋外での椎骨動脈血流波形より閉塞部位を推定診断します.また,経頭蓋超音波検査法(TC-CFI)を用いると,大後頭孔から直接に頭蓋内の椎骨動脈血流を観察して閉塞部位を診断することも可能です.

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