血管径の計測は,内膜間距離,または(偽)外膜間距離が用いられています.
超音波検査では,内膜間距離は最も精度よく血管径を計測する方法であるが,近位壁の層構造が明瞭に描出されている場合にのみ計測可能という条件があります.計測ポイントは,近位壁,遠位壁ともに最も内側の高エコー層の上縁(leading edge)間の距離を測定します.
(偽)外膜間距離は,最も外側の高エコー層を計測ポイントとして用います.ただし,“偽”外膜間距離と記載されるように,最外側高エコー層の近位壁は下縁(trailing edge)を,遠位壁は上縁(leading edge)を用いて計測するため理論的に正確な計測ではありません.しかし,この計測方法は,画像が不良(特に近位壁の構造が不明瞭)でも計測可能で,深部を走行する内頸動脈末梢や椎骨動脈でも,ほぼ全例で計測できる利点があり,当研究会では(偽)外膜間距離による血管径の計測を基本としています.
また,頸動脈は拍動に伴い血管径が大きく変化するので,計測する時相を一定にする必要があります.当研究会では血管の収縮後期(心時相の拡張後期)の時相(心電図の同時記録ではP波からQRS波までの時相)で計測します.ただし,血流量を求める際の血管径は,内膜間距離が基本となりますが,計測時相は血管の拡張中期,すなわち心時相の収縮中期付近を用います.
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